どうも、古物商ブロガーのX(えっくす)です。
えらてんさんの『しょぼい起業で生きてゆく』を読みました。
えらてんさんは個人的には好意を持てる方なのかな~と思っていたので、話題の”しょぼい起業で生きていく”を買って読んだわけです。
今回はその感想を率直に書いていきたいと思います。
しょぼい起業は簡単じゃない
まず、この本で書かれているしょぼい起業は簡単ではないということです。
確かに開業資金は数十万でOKなんですが、少ない資金を補うための人的資本などは必要です。
本書では無償で他人に働いてもらう『正しいやりがい搾取』という概念が登場するんですが、これができるのはかなりコミュ力が高くて人間的にも魅力的な人に限られます。
えらてんさんって「自分はサラリーマンに向いていないダメなヤツ」という自己イメージで語りますが、客観的にみれば、えらてんさん自身はかなり優秀な人で、会社に勤めても普通に活躍できる人だと思います。
一方でこの本の対象となる読者はどんな層なのでしょうか?
多分、就活がうまくいかない大学生や無職の若者になってくると思います。
ぶっちゃけ、就活で内定をもらえない人ってやっぱり優秀だとは言えないと思いますね。
向き不向きというのもありますが、会社員として優秀な人はビジネスパーソンとしても優秀な場合が多いです。
つまり、えらてんさんはいろんな事情があって就活していないけど、もし就活してたら大手企業から内定もらえたと思うし、会社に勤めても普通に活躍できる人だってことです。
えらてんさんがうまくいったからといって、例えば、僕のような本当に取り柄のない人が、このしょぼい起業でうまくいくとは限りません。
この本では「友好関係を築く」とか「居心地の良い空間をつくる」みたいな話が結構でてくるんですが、それができないから就活もうまくいかないし、会社員も続かないと思うんですよね。
再現性というか難易度という点では疑問の残る内容でした。
数字的な話でちょっと疑問に思ったこと
という感じで、いきなりネガティブな感想から始まってしまったんですが、全体的な印象以外にも気になる点はあります。
まずは、リサイクルショップを開店した月の売り上げが40万円だったという話です。
本では自分の持ち物が売れたという感じで書いてあるのですが、自分の持ち物を売って売り上げにするのは適切じゃないと思います。
リサイクルショップだというなら、仕入れをして売った商品の売り上げを公表するべきでしょう。
自分の持ち物は一度しか売れませんから、商売の売り上げとしてカウントするのはおかしいですよね。
この本ではいくら儲かったということは趣旨ではないのかもしれませんが、初年度の年商くらいは公表してほしいものです。
それと、豊島区でリサイクルショップをやっていたら、月商40万円ではけっこうキツイと思うんですよね。
”人間関係でなんとかする”みたいな抽象的な話じゃなくて、具体的に売り上げと経費がどのくらいかかったのかと知りたいと思いました。
イベントバーエデンのシステムも少し気になる
えらてんさんはイベントバーエデンという店舗もやっていて、10店舗も展開しているみたいです。
このバーのシステムは変わっていて、バーテンをやりたい人が1万円払ってバーテンをやるんだそうです。
バーテンは、お店側に売上金額にかかわらず、1万円を渡す。
カワマン.net
そこから、仕入れ額を引いて、残った金額をお店とエデンで折半する
というシステム。
例えばその日の売り上げが3万円、仕入れにかかったお金が3000円だった場合は
(3万ーチャージ1万ー仕入れ3000円)÷2=8500円!!
売上の8500円と仕入れの3000円で11500円をもらえます。
÷2の部分は複数人でバーテンをやる場合はその人数によって変動します
ただ、万が一売上が1万円に満たない場合でもバーテンをやる側が現金を店に入れる必要はなし
例えば売上が8000円しかなかった場合でも、2000円支払う
とはならないということですね。
最初の文章では「売上金額に関わらず1万円わたす」となっているけど、読み進めると「売上が1万円に満たない場合でもバーテンをやる側が現金を店に入れる必要なし」ってなってます。
売上が1万円未満の場合は、分配金がマイナスになっちゃうけど、その分はチャラになるということなのかな。
まぁ、細かいことはよくわからないけど、バーでイベントができるということに対して店側に1万円を払うというのがこのシステムの趣旨なのかな。
店側からすれば、バーテンを雇う必要がなく1万円の売上が確定するので、おいしいシステムではあるし、エデン(というかえらてんさん)の知名度があるうちは、エデンでバーテンをやると宣伝にもなるから、バーテンをする人にもメリットがあるということですかね。
まぁ、えらてんさんの人気がキモになりそうなビジネスモデルですね。
けど、発想そのものは好きです
いろいろと細かい点についてはdisりましたが、えらてんさんの発想自体は好きです。
コミュニティを作ってうまく運営するということ自体はすごく楽しそうだし、僕の周りでもうまくいっている経営者はそういうことをしているイメージはあります。
えらてんさんはカルト宗教をやっていた過去があるみたいなので、人を集めて動かすということがナチュラルにできる人なのかもしれません。
まぁでも、人を動かすって中々大変なことで、それがスムーズにいかないから、会社でもトラブルがおきるんだけどねぇ。
だから、繰り返しになるけど、それなりにコミュ力がないとしょぼい起業はできませんよ。
えらてんさんは新イケハヤ先生なのか?
えらてんさんはYouTubeではイケハヤ先生を批判しているし、その内容は妥当だと思うんですが、この本を読んだ後だと「あれっ、えらてんさんって新しいイケハヤ先生なんじゃね?」って思ってしまうんですよね。
イケハヤ先生って今は情報商材屋さんになってしまいましたが、東京にいた頃や高知に来たばかりの頃は、えらてんさんのようなポジションだったんですよね。
今では考えられないことですが、『年収150万円で僕らは自由に生きていく』という本まで出しているんですよね。
僕にはこれが『しょぼい起業』と重なってしまうんです。
もちろん、えらてんさんの方が賢いから、イケハヤ先生のようにはならないと思いますが、人生に悩んでいる若者に生きる希望を与えているという点では同じ。
若手ネット論客がイケハヤ先生からえらてんさんになったという感じですかね。
えらてんさんのビジネスモデルも自身の人気依存というのは、イケハヤ先生もの共通する点です。
ぶっちゃけ、せどりの方が稼げるし楽
就活に失敗してどうにかしたいなら、ぶっちゃけ、せどりの方がオススメです。
実店舗を借りなくてもできるし、売り上げも大きく伸ばせます。
まぁ、一番良いのは頑張って就活して内定をもらうことなんですが、それが無理ならせどりの方が堅実で稼げますね。
もちろん、えらてんさんのように人的資本があれば別ですが、そうでない人がリアルビジネスをやっても失敗する可能性が高いです。
社会に揉まれるという意味ではリアルビジネスは効果的なんですが、だったら就活頑張ればって思うんですよねぇ。
だって難易度でいったら、
新卒で就職 < せどり < しょぼい起業
になりますよ。
僕は知り合いから「せどりやってみたいんだけど?」って相談されたら、「やめとけ」って答えていますが、それでもしょぼい起業よりはせどりの方が勝率は高いと思います。
せどりは稼げる商品を仕入れて売るだけなんで、再現性がかなり高いんですよね。
何より人気に依存しないという点がせどりの方が優れている点です。
アマゾンの規約は年々厳しくなっていますが、いきなり実店舗を開業するよりはリスクは低いです。
結局何が言いたいのか
なんかいろんなことを書いてしまいましたが、言いたいことは2つです。
- 本を読むとえらてんさんに対する印象が変わる
- しょぼい起業よりもせどりの方が稼ぎやすい
以上です。
最後まで読んでくれてありがとうございました。