せどりでも買い取りでも中古品ってとにかく手間がかかるので、ある程度売上が増えてくるとアルバイトやパートを雇って作業をしてもらうことを考えると思います。
物販は売ってナンボですから、仕入れを増やしてドンドン出品することで売上が増えていきます。
その過程でどうしても人手が欲しくなるんですね。
僕もAmazonでも販売を始めて1年くらい経ったらアルバイトを入れることにしました。
当時は個人事業でやっていて社会的な信用がなかったので、知り合いにお願いすることにしたんですね。
知り合いを雇ってみた結果ですが、結論からいうと失敗しました。
この記事では、知り合いを雇った僕の経験を書いていきたいと思います。
雇った知り合い
まず、当時働いてもらった知り合いのSさんの基本的な情報をまとめておきます。
あまり詳しくは書けないのですが、こんな感じです。
- 名前:Sさん
- 性別:男
- 職業:自営業(広告系)
- 年齢:40台
年齢は僕よりも上で、僕が子供の頃からの遊び仲間です。
一緒にドラクエやFFをやっていました。
ゲームでわからないことがあると僕の家にやってきて一緒に攻略してくれる良いお兄さん的な存在でした。
性格も遊んでいるときは合っている感じですが、仕事に関することは後述します。
採用するまで
既に書きましたが、当時は個人事業で社会的な信用もお金もなかったので、求人を出そうなんて考えられませんでした。
だから、知り合いを頼ってお手伝いしてくれる人を探していたんですね。
Sさんも個人事業だし時間的にも融通がききそうなので、僕からSさんにお願いすることにしました。
Sさんに電話をして一度家に来てもらって、僕のやっているビジネスやSさんにやってほしいことなどを説明しました。
Sさんは結構乗り気になっていて、僕としても非常に嬉しかったのを覚えています。
「Sさんに手伝って貰えればきっとうまくいく」って信じていました。
事業や仕事の説明をした後、時給などの交渉をしてSさんは僕と働いてくれることになりました。
違和感
Sさんが僕の事務所で働くことになって違和感を覚えるのに時間はかかりませんでした。
まず、作業が遅すぎる。
仕事は時給でやってもらっているので、もうすこし量をこなしてくれないと採算が合わなくなってしまうのですが、Sさんの仕事のスピードは明らかに遅すぎました。
例えば、コミックのセットをOPPに詰める作業は1時間で3セットという遅さでした。
時給850円でやってもらっていたので、1セットOPPに詰めるだけで約280円もかかることになります。
例えば、1000円で仕入れて3000円で売ると想定した場合に、これに作業経費が+280円されるわけなので、1280円で仕入れたものを3000円で売ることになるわけです。
当時の僕はとにかく利益率にこだわっていたので、これには耐えられませんでした。
というか、1時間で3セットは今でも遅すぎると思います。
次に、作業が雑だということです。
値札を剥がすときにカバーに傷をつけてしまうことがよくありました。
値札剥がしは専用の液体をつけて剥がせば簡単に綺麗に剥がせるのですが、Sさんは僕の教えたやり方をやらずに、我流で作業をしていました。
その結果、コミックの裏には爪でひっかいたような跡が残ってしまうことがありました。
このおかげで、コンディションを下げて売らなければならなくなったことが結構あります。
違和感はまだまだあって、あげればキリがないのですが、作業の報告が適当だったりと、とてもお金をもらってやっているとは思えませんでした。
衝突
こんな感じのSさんなので、僕と衝突するのは避けられませんでした。
ある日、Sさんが時給ではなく固定給で給料が欲しいと言い出したのをきっかけに、僕はSさんに見切りをつけました。
そもそも言われたことすら適当にやっておきながら、時給での仕事に不満を持つなんてどれだけいい加減でワガママなんだという話です。
僕としては給与形態は変えられないということを言うと、Sさんは辞めると言い出しました。
実は、Sさんが辞めると言い出したのは、この時が初めてではなく、この数週間前にも「辞めたい」みたいなことを言いました。
その時は僕がなだめてなんとか収まりましたが、この件では僕は一歩も引く気はなかったので、Sさんは辞めることになりました。
辞めることを僕が承諾しても、Sさんは僕に不平不満を言い続けました。
Sさんは不平不満を言いましたが、僕との人間関係を壊したくないという想いもあったようで、なんだか僕に言い訳をしているようにすら感じました。
僕は慰留はしなかったので、Sさんとしては意外だったのかもしれません。
僕は給与の受け渡し日をSさんに伝えて、極力事務的に対応しました。
再雇用
給料を渡す日にSさんは僕の事務所に来ました。
僕はその月の給料を茶封筒に入れて、玄関でSさんに渡しました。
「今までお疲れ様でした。」と言おうと思っていたら、Sさんが先に口を開きました。
「お願いがあるんだけど、週1でいいから仕事がしたい」
「っ!!」って感じです。
数日前にはあれだけむちゃくちゃな要求をしておきながら、よくこんなことが言えたもんだと僕は呆れ返ってしまいました。
でも、なんか断りにくいというか、僕としても人間関係を断ち切ってしまうのは損な気がしたんですね。
それで、僕がOFFの火曜日にお試しで今までと同じ仕事をしてもらうことにしました。
Sさんは僕が大好きなりんごを持ってきていて、僕に渡しました。
僕は「ありがとう」といってそれを受け取って、Sさんは帰りました。
再衝突
Sさんは火曜日の午前中に僕の事務所に来るようになりました。
仕事内容も以前と同じです。
そして、仕事のクオリティも安定のSさんクオリティ・・・
僕は我慢ができなくなって、Sさんにダメ出ししました。
大まかに以下の3点を伝えました。
- 仕事が遅すぎる
- 仕事が雑すぎる
- 作業日誌には正確に記入して欲しい
これを聞いたSさんは言い訳を始めました。
というか、僕に責任を転換してきました。
そして、また辞めると言い出しました。
僕は今度こそ本当に辞めてもらおうと考えて、「もう本当にこれで終わりにしてください」と言いました。
Sさんは不服そうな顔をしていましたが、僕の本気度を感じたのか、「わかった」と言って事務所を出ました。
知り合いを雇うべきではない理由
結局Sさんとはそれ以来合わなくなりました。
僕としても悲しいことですが、仕事上のトラブルでこうなってしまった以上、人間関係が崩れるのは仕方がないことだと思います。
今考えてみれば知り合いなんて雇わない方が良い理由は明らかです。
- 人間関係があるからダメ出ししにくい
- 人間関係があるから甘えてくる
- 最終的には人間関係が崩れる
考えてみれば当たり前ですよね。
でも、当時の僕はそんな当たり前のこともわかならなったんです。
人手が欲しいかったから気軽に知り合いにお願いしてしまったんですね。
その人の性格にもよりますが、友人や知人は軽い気持ちで仕事をお手伝いしているという感覚の人が多いです。
でも、こっちはそういうわけにはいきません。
作業のスピードや質を保つことができなければ、仕事になりません。
全然知らない人にお金を払ってやってもらっていれば、こっちもいろいろと要望を伝えやすいですが、知り合いだと人間関係を壊したくないので、言うべきことが言いにくくなってしまうんですね。
そして、仕事でトラブルがあっても「人間関係は別」って感じで割り切ってくれるなんてことはなく、その後の人間関係は途切れてしまいます。
アルバイトやパートで事業を拡張する場合は、知り合いや身内は雇ってはいけません。